前回、設計図づくりのお話の中で、しんかんせんチームが車体の色を「白」にするか「青」にするかで意見が分かれたことをお伝えしました。話し合いの末、設計図の上では白い車体に決まりました。

では、実際にできあがったしんかんせんは何色になったのでしょうか。

答えは――薄いピンクの屋根と、緑色の先頭車両。白でも青でもありませんでした。

いざ色を塗る段になると、子どもたちはそれぞれ赤や白など、いろいろな色を持ち寄って塗り始めました。一人ひとりが「この色を塗りたい」という思いを持ち寄り、重ねて、塗って、また重ねて。そうしているうちに、色は混ざって混ざって、やさしいピンク色になっていきました。

設計図とはちがう色になった、と聞くと、「計画どおりにいかなかった」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。けれど私たちは、ここにこそ大型製作のおもしろさがあると感じています。

「青がいい」「白がいい」と意見がぶつかったとき、子どもたちは話し合って、ひとつに決めました。それは、自分の思いと友だちの思いの間で折り合いをつける、大切な経験です。

そして実際につくり始めると、今度はみんなが持ち寄った色が、紙の上で混ざり合っていきました。誰か一人の色ではなく、みんなの色が合わさってうまれた色。だれも最初は思い描いていなかったその色は、まさにこのチームにしかつくれない「しんかんせん色」なのかもしれません。

頭の中のイメージは、設計図になり、そして実際の作品になる中で、少しずつ形を変えていきます。思いどおりにならないこと、思いがけないことに出会いながら、子どもたちはそれを受け止めて、また次へと進んでいきます。その一つひとつが、つくる過程の中にある学びです。

作品展では、しんかんせんの設計図と実物を、ぜひ並べて見比べてみてください。白い車体の設計図と、ピンクと緑のしんかんせん。その間には、子どもたちが重ねてきた話し合いと、混ざり合った色の時間があります。

次回はいよいよ最終回。「力を合わせてつくる」ということについて、チームの中で見られた姿をお届けします。